絵と文を添えた手紙を一般的に絵手紙と言いますが、近年では、水墨画・日本画風の絵と文章を組み合わせたハガキサイズの作品を、一つの絵のジャンルとして「絵手紙」と呼んでいます。味のあるタッチの絵と文で、自分の思いを表現し相手に伝える絵手紙の魅力についてまとめてみました。
絵手紙を描くのに必要なもの
●墨もしくは墨汁…筆ペンで描く場合もあります。
●硯
●顔彩(もしくは水彩絵の具)
●毛筆
●面相筆や彩色筆(もしくは水筆ペン)
●絵皿(もしくはパレット)
●筆洗(もしくはバケツ)
●はがきサイズの画仙紙
墨で輪郭を描き、顔彩で着彩するのが基本ですが、顔彩の代わりに水彩絵の具を使っても大丈夫です。時間短縮で手軽に描きたい場合は、筆ペンや水ペンを代用したりもできます。また、絵手紙に馴染みがない方や初めて挑戦したいという方に嬉しい、顔彩や画仙紙や筆など必要な画材がセットになった商品もあるので、そういうものを購入して始めてもみてもいいかも知れません。
絵手紙を描く手順
モチーフを選ぶ
季節感のある食べ物や花、風景などをモチーフにします。その時々で自分が描きたい!と思ったものを選ぶのがいいですね。形や色がユニークな物は、描くと面白いかも知れません。
構図を決める
自分が心を動かされたモチーフの魅力的なポイント(パプリカのみずみずしさや鮮やかさ、カブのしなびた感じなど…)を見つけて、どこをクローズアップしてどの大きさでどの位置に描くか?を考えます。
墨汁で輪郭を描く
一般的に絵手紙は、にじみが美しく出る画仙紙に描きます。筆の上部を軽く持って物の輪郭を線で描きます。線の歪みや線の強弱をあえて出した方が絵に味が出ます。また、デッサンとは違い、形の正確性というよりも、モチーフの個性や雰囲気が伝わるということが重視されています。
顔彩で着彩する
固形の顔料を水で溶いて着色します。色を「塗る」のではなく色を「置く」ような感じで描くのがポイントです。優しく色を重ねていき、美しい色のにじみが表現できるといいですね。普通の水彩画と同じように、白い部分は紙の白を生かして、薄い色から順に着彩していきます。
言葉を書く
絵の余白に、バランスを考えて墨で言葉を書きます。「絵」と「文」でセットの絵手紙なので、絵のイメージに付随する内容のメッセージを書くのが一般的です。ちょっと詩的な言い回しで、自分の思いをのせて書けると素敵ですね!また、文字も、習字のように正確に書くというより、自分なりに誇張した文体で書くのがよいとされています。
印を押す
最後に朱肉で自分の名前の印を押して(サインを書いて)完成です。オリジナルで作った消しゴムハンコで印を押してもいいですね。
自分の思いをのせた手描きの絵手紙は、送り手にきっと喜ばれるはず。誰かに語りかけるような感じで、絵日記のように作品を描き留めていくのも面白そうです。上手に描くことよりも、自分の感性と思いを素直に表現することに重きをおいて、自分ならではの素敵な作品を作ってみてくださいね!