目の前にあるモチーフを写実的に描くのではなく、自分のイメージした空想の世界を描写する場合に必要な作業についてのお話です。自分の空想をカタチにするには、描画力だけでなく、アイデアや発想力が肝心になってきます。また、その発想を具現化して説得力をもたせるには、リアルな情報というものも必要になってきます。
写真資料を眺める
人は無からは創造できない…という言葉をよく聞きます。人は、自分が人生の中で今まで見てきたモノ、感じてきたモノの情報に基づいてアイデアを出します。なので、より多くの経験や知識がある人はより豊富なアイデアや発想を生み出せるはずです。絵を描く場合も、自分の中に幅広いビジュアル情報を持っている人ほど、豊かな表現が可能になるものです。
実物を見ることが最もよいことなのですが、自分の欲しいビジュアル情報を得るのに手っ取り早い方法は、写真を見ることです。本屋で売っている写真集や雑誌、PCの画像検索で出てくる写真データ等…いろんな媒体でたくさんのビジュアルに触れることが、アイデアや発想の向上に繋がるはずです。
写真を分類してストックする
写真画像は、そこに写っている造形物のデザインだったり、空気感だったり、色合いだったり、構図だったり…色んな観点で自分の描く絵の参考になります。色んなイメージをたくさん用意して自分なりに分類して整頓しておけば、全く異なるイメージとイメージを合わせることで、全く新しいイメージを生み出すことができます。
※ネット上の画像データを、自分なりにカテゴリー分けしてブックマークのように保存できるPinterest(ピンタレスト)は、ビジュアルのアイデア作りにおススメです。
写真をピックアップしてまとめる
自分の描こうとする絵に必要な情報のある画像を選定して、一つにまとめます。意匠のテイスト、質感、色合い等…、それぞれ異なる情報をもった画像を、一目で把握できるサイズにまとめた資料として用意しておくと、絵が描きやすくなります。
注意点ですが、写真資料には著作権があり、資料はあくまでイメージとして参考にするものなので、そのまま描写するというのは避けなくてはいけません。ある時代の着物やドレスの型、ある文明の遺跡の文様…等を参考にするのであればよいのですが、特定の誰かの意匠を真似するということはないようにする必要があります。