人間の手の形状のポイントと、着彩手順をまとめてみました。手の平側と甲側の両方が見えるアングルを選んで描いています。左側は男の人の手、右側は女の人の手を想定しています。(デジタルで色を塗っていますが、絵具等のアナログで描くのと描き方も考え方も変わらないです。)
●手をデッサンする …モノクロの鉛筆のみのデッサンで手を描きました。
手のポーズを決める
手の形状や見える角度を考え、カッコよく見栄えのする構図を選んで描きます。手は複雑な形をしており、非常に難しいモチーフなので、手を鏡に映して見ながら描くか、もしくは手の写真を撮って見ながら描くのがお勧めです!鉛筆でラフ画を描いてみました。
手の形状を捉える
さっと色をのせて、手をシルエットで軽く捉えてみました。構図を考えながら、大体こんな見え方かな、というのを確認しながら描きます。
骨の位置や長さを確認する
手首と指の関節の位置、骨の角度と長さを確認しながら、できるだけ正確に手のパーツを描いていきます。やはり、実物の手を見ないとなかなか描くのは難しいです。
●親指だけ関節の角度が違います。指の関節の数も一つ少ないです。
●関節と関節の間の指の骨は、先に行くほど短くなります。
陰影をつける
手の形状が決まったら、まずは大まかに光と影を描いていきます。
面で陰影を捉える
今回の絵は、左上から光が当たっていることを想定しています。まず、手の甲・手の平や指の上部には光に当たっているので明るく塗り、右下には陰影がたまっているので暗く塗ります。複雑な手の形を、簡略化した単純な立体で捉えてみると、陰影の感じが想像しやすくなります。
手全体の大まかな陰影を保ちつつ、細部の陰影をつけていきます。明るいところの中のさらに明るいところを描き、暗いところのさらに暗いところを描く、といった感じです。
手の甲側は骨の張りが見えるので、骨の流れに沿って陰影をつけていきます。手の平側は関節に沿ってシワが見えるので、シワに沿って陰影をつけていきます。爪を描くと指の向いている方向がはっきりします。
質感を出して細部を描く
陰影を細かく追いながら描き込んでいきます。手と指の陰側の面のフチにもかすかな光が当てると、より立体に丸みを帯びた形状に見えてきます。また、手は、物ではなく生きた人間のパーツです。血の通った人間の手になるように、みずみずしく描けるといいですね…。こちらの手の絵は、さらに描き込んでリアリティーを追及していくこともできますが、絵の一部なのでこのくらいでストップしておきます。
●イラスト・絵画「天の橋を渡る(七夕の節句)」を描きました。 …絵の全景