デッサンの基本となる立方体(正六面体)の描き方について説明します。立体物の描き方の最も基本となる内容です。今回のモチーフは、真っ白な立方体です。鉛筆と画用紙とねり消しゴムを使って描きました。
↓デッザン専用の石膏の立方体です。
石膏像 G-813 幾何形体 立方体 H.12.5cm
点と線で形状を捉える
最初に、立方体の骨格となる形状を描きます。目に見えない部分の形状も意識して描きます。まず形状の配置情報となる点を捉えてから、点と点を線で結んで辺を描いていきます。アタリとして描いているこのラインは最終的になくすものなので、消しやすいB2くらいの鉛筆で描きます。
パースを意識して描く
辺のラインを延長したはるか先に、ラインが一つに交わるポイント:消失点があります。左右の消失点は同じ高さにあり、そこが描いている人の目の高さになります。いま描いている形状の表現手法は、消失点が2つ存在するので二点透視法です。ちなみに、立方体の縦方向にも第三のパースが存在しますが、対象物が小さいので、縦方向の奥行きはあまり考えなくて大丈夫です。(建物などスケールの大きなものを描く時には、縦方向のパースもしっかり意識します。)
パースを意識して描くと、モチーフの底面は、目の高さより下に位置するので広く大きく見え(隠れて見えませんが)、モチーフの上面は、目の高さに近づくので狭く見えにくくなるはずです。また注意点としては、立方体は全ての面が正方形でできているので、どこかの辺だけ長すぎたり短すぎたりしてはいけません。どの面も正方形に見えるように調整します。
モチーフの横に自分の絵を置いて、比較してみながら描いてみましょう。
<チェックポイント>
✔左右のパースの角度をチェック!
✔モチーフの底面と上面の大きさを比べた場合、底面の方が大きく見えているかチェック!
✔どの面も正方形に見えるかチェック!
全体の陰をつける
光源を意識して、見える3つの面に濃淡を付けます。1番暗い面、2番目に明るい面、1番明るい面を意識して塗ります。目を細めてモチーフを見ると、濃淡を掴みやすいです。また、タッチはパースの方向に合わせて、辺に沿った方向にしましょう。
全ての面を差別化して塗る
①1番暗い面
2、3Bくらいの軟らかい鉛筆で塗るといいです。光に遮られた陰の部分は色を鈍らせたいので、軟らかい鉛筆で濃く塗ったら布やティッシュペーパーなどで擦ります。(擦ると画用紙に色がピタッと付着します。)鉛筆で擦った後はそのままにせず、その上に必ず鉛筆のタッチをのせて調子を整えます。
②2番目に明るい面
H前後の硬めの鉛筆で塗ります。塗った面は擦りません。
③1番明るい面
Hくらいの硬い鉛筆で塗ります。鉛筆は立たせて塗って、シャープな線でタッチをつけます。擦ってはいけません。手などで汚さないように気を付けます。
影を描く
光源の方向を意識して影を描きます。光の角度に合わせて影を落とします。影のタッチは画面に対して水平方向に入れていきます。斜めにタッチを入れると、立方体が地面から滑り落ちてしまいそうに見えます。
影の輪郭はぼんやりとさせます。ねり消しゴムでポンポンたたきながら消していくと効果的です。画用紙の余白は汚さないように注意してください。絵の基準となる白を保つ必要があるため、汚れたら消すというのを繰り返しながら進めていきます。
タッチを入れて描き込む
影のタッチは水平方向にしますが、立方体のタッチはパースに合わせた方向で入れていきます。斜め方向にタッチを入れると、立体感を阻害してしまいます。(味にはなりますが。)あと、弧を描いたり歪んだりしたタッチにならないように気を付けて下さい。立方体は直線のみのタッチで描きます。
また、面と面の変わり目の付近は、よりしっかりタッチを入れるといいです。面の角度の違いを強調するためにも、接する面と面でタッチの方向を変えるのがよいです。
全体の調子を整える
同じ面の中にも、濃淡の濃い部分と薄い部分があるので、色の調子に変化をつけていきます。一番暗い面は、軟らかい鉛筆だけでなく硬い鉛筆のタッチも入れると、カッチッと引き締まります。
立方体の表面の細かな凹凸を描いて完成です。手前が飛び出して見えるように、手前ほど描き込むといいです。ねり消しゴムで消したり描き足したりするのを繰り返します。
画用紙の余白の汚れは、最後にしっかり消しゴムで消しましょう!
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↓デッサン上達の近道は、達人のデッサンの制作過程をしっかりと見ることです。
●円柱をデッサンする
●球体をデッサンする
●マネキン人形の頭部をデッサンする
●パース(遠近法)の概念を知る
●立体物を点と線と面で捉える
●立方体と円柱と球で世界を描く
●手をデッサンする
●デッサンを学ぶ
●鉛筆デッサンに必要な道具
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