透明水彩の水彩絵の具よりハッキリした色を塗ることができる耐水性のアクリル絵の具についてご紹介します。油絵のように上からしっかりと色を塗り重ねることができる上に、混ぜる水の量を調節して多重に色を重ねることができるのも、アクリル絵の具ならではの特徴です。アクリル絵の具は透明タイプと不透明タイプに分かれるのですが、今回は不透明タイプのアクリルガッシュについてご紹介します。(ちなみに、美大受験のデザインではこちらの絵の具を使います。)
透明水彩絵の具との違い
●発色がよく鮮やかな色を出せる。
●乾きが早い。
●エッジのある直線的なものをはっきり描くことができる。
●乾いた後にしっかり色を塗り重ねることができる。
●乾いたら耐水性になるので水で色を落とせない。後から色を薄めることができない。
↓おすすめの アクリルガッシュはターナーとホルベインです。
ターナー アクリルガッシュ
ホルベイン アクリリックガッシュ(アクリラガッシュ)
アクリルガッシュはムラなく均一に色を塗るのに適しています。いわゆる綺麗なペンキ塗りが可能です。不透明水彩なので、濃い色の上に薄い色や彩度の高い色をのせることができるのが嬉しいところです。また、透明水彩絵の具のような「にじみ」や「ぼかし」や「かすれ」の表現をすることも可能ですが、アクリルガッシュは絵の具が硬めで、かつ乾きやすいので、「にじみ」や「ぼかし」の表現は、透明水彩絵の具の方がやりやすいかもしれません。
アクリルガッシュで描いた絵
こちらの真ん中の作品は、べニア板に描いた作品です。にじませたりぼかしたりしながら色を塗り重ね、最後に「かすれ」を多用して金箔のような表現をしてみました。乾いていれば、絵の具の上に別の色を上乗せしても色が全く濁らないのがアクリルガッシュの特徴です。透明水彩絵の具、色鉛筆、クーピー、クレヨン、クレパス、カラーペンなど一般的に使われる他の画材よりもインパクトの強い表現ができるのが、アクリルガッシュです。
こちらの絵は、イラストボードに描いた作品です。透明水彩画のように見えますが、アクリルガッシュに水分を多めに含ませて塗った絵になります。絵の具の乾きは早いですが、アクリルガッシュでも、「にじみ」や「ぼかし」の表現はできます。
アクリルガッシュで塗れる物
アクリルガッシュは紙だけでなく、木や布や粘土など水を吸収する素材全般に塗ることができます。クラフト作品のペインティングやネイルアートのデザインなどにも使ったりしますよね。一方で、水をはじく素材…ガラスやペットボトル等には塗れません。すぐに剥がれ落ちてしまします。
アクリルガッシュの多彩な色
ターナーのアクリルガッシュには、水彩絵の具と同じ普通色以外にも、カラーパール(18色)、パール(6色)、メタリック(9色)、ラメカラー(13色)といった、特殊な色が揃っています。パール系の色は、見る角度によってほんのりと色が変わり、上品な輝きを放ちます。ラメ系の色は、キラキラっとした輝きを放ちます。メタリックは、金属の輝きにそっくりな色となります。
ターナー色彩 アクリルガッシュ パールホワイト AG020090 20ml(6号)
●工作・クラフト「ネックレス」を作りました。
アクリルガッシュの注意点
いろんなものに着彩できるのはいいのですが、アクリルガッシュは速乾性があって耐水性のある絵の具です。衣類についたら落ちないので注意が必要です。また、普通のパレットを使うと、乾いた後に絵の具が落ちなくなります。なので、パレットは使い捨て用のペーパー上状のパレットを使うとよいです。カレンダーなどの光沢のある用紙なども、パレット代わりになったりします。
アクリルガッシュは絵の具の扱いが少し難しいので上級者向けの画材かもしれませんが、印象強いビジュアルを作りたい!絵にパンチが欲しい!と思った際には、是非使うべきお勧め画材です。