題名「ありがとう。さようなら。」水彩絵の具で、かぐや姫を描いてみました。
かぐや姫は中秋の名月に月へ帰ったと言われています。羽衣をまとって「情」を失う寸前のかぐや姫のイメージを描きました。十二単に大自然のイメージを描くことで、地球色に染まったかぐや姫を表し、地球(と愛する人々)への愛と別れの切なさを表現してみました。
<用意するもの>
鉛筆・ねり消し・画用紙・トレース台・水彩色鉛筆・水彩絵の具
ラフスケッチと下書き
エスキース帳にたくさんラフスケッチをして、絵を構成するの要素や全体の構図を固めてから、画用紙に鉛筆で下描きします。中央に姫を配置し、バックに月を配置して左右を宇宙につながる夜空と地球の象徴である竹林で挟むという構成にしました。
人物は、裸体の状態を軽く描いてから服をのせて描きます。十二単の着物は、構造を調べてから描きました。手は、自分の手を鏡に映して見ながら描いていきます。最後はいらない線は消して、主線を絞っていきます。
主線入れ
シリウス画用紙に、水彩色鉛筆と水彩絵の具を使って描きました。最初に鉛筆で下描きを行い、トレース台に画用紙をのせて色鉛筆で輪郭を描いてから着彩しました。鉛筆の黒い線の上から着彩すると色が濁ってしまうので、水彩画と相性の良い水彩色鉛筆で輪郭を描き直すということをしています。また、デジタル画では輪郭線の色を後々変化させることができますが、アナログ画ではそれができないので色鉛筆を使しました。
地上世界の美しさを表す、桜、富士、紅葉、富士山、空、川等、細部のイメージもしっかり描きました。輪郭に色を付けて描くと、全体の色の配力をこの段階で吟味することができるというメリットがあります。
固有色の着彩
水彩絵の具で着彩していきました。ベースの色を大まかに塗ってから、細部を描き込んでいきます。配色、明暗のバランスを考えて全体を着彩していきます。かぐや姫は、十二単らしい色使いを心がけながら、大自然の固有色を折り混ぜて塗っていきました。
細部の描き込み
陰影のたまる部分や強調したい部分は、最後に色鉛筆でしっかり描き込みました。特に顔は命なので、シャープな線で描き込んでいます。
金色の絵具をアクセントで使ってみました。原画は、角度によって光り方が変化して見えます。
十二単といえば…お雛様。お雛様が髪の毛を下ろしたら、こんな感じになるんでしょうね。優美にたなびく長~い髪の毛は、描いていて一番楽しかったです。
↓五節句をイメージしたイラストです。デジタルイラストの描き方をまとめてみました。
●イラスト・絵画「春爛漫(桃の節句)」を描きました。
●イラスト・絵画「青雲の志(端午の節句)」を描きました。
●イラスト・絵画「天の橋を渡る(七夕の節句)」を描きました。